Safety Measure
登山は楽しいものであると同時に,常に危険が伴うものです。ここでは,東大ワンゲルが登山中の事故・遭難を防止するために取っている安全対策をご紹介します。
1.審議
安全対策の根幹を成しているのが「審議」システムです。 登山計画が安全なものかどうか,3年生と山行参加者で審査します。 部内規則(「審議細則」)に基づき,各山行について「予備審」「本審」の2種,加えて振り返りにあたる「FB」が開催されます。
- 予備審:各山行1時間程度をかけて,過去記録に比べてコースタイムに十分に余裕があるか,危険箇所の通過に対して適切な対策が取られているか,登山計画書(後述)の記載に間違いがないかなどを審査します。
- 本審:登山計画書・緊急連絡先などの最終確認を行います。
- FB:山行終了後,その山行のリーダーが報告書を作成します。FBではその読み合わせを行い,以後の山行の教訓とします。
2.山行ルール
東大ワンゲルでは,登山行動に以下のような部内規則を設けています。この規則に違反する山行は企画することができません。
日の出前・日の入り後行動禁止
暗いなかでの登山行動は周囲が見えづらく,危険です。東大ワンゲルでは,日の出ていない時間帯の登山行動を全面禁止しています。
悪天時の森林限界上行動禁止
森林限界よりも標高が高い場所では,風を遮るものがなく,強風時は体が煽られて大変危険です。悪天が予想される場合は,森林限界上を通らないルートに切り替えたり,登山行動自体を中止したりします。
Max12p以内
Maxとは,周囲の登山口から最も遠い,すなわち「最も山深い」場所のことです。東大ワンゲルでは,どんなに山深い場所でも,12時間以内に緊急車両が呼べる登山口に下山できるようにしています。
3.L権制度
東大ワンゲルの山行は誰でも企画できるわけではありません。十分に経験を積んで所定の条件を満たし「L権」を与えられることで初めて企画できます。
4.レポート制度
部員は,入部する際に十数個の「レポート」の読み合わせに参加する必要があります。「レポート」とは,安全登山に必要な知識を分野別にまとめたものです。下記リンクより,一部のレポートをご紹介します。
5.トレ
山行に参加する条件として,ランニング・筋トレなどの自主トレーニングが課されます。特に,夏合宿前には,トレ長によって各自のトレの進捗状況が管理され,必要に応じて合同トレーニングが開催されます。
6.ビーコン(冬山のみ)
ビーコンとは,雪崩に巻き込まれた際に自分が埋まっている位置を知らせる電波発信機です。冬山山行では全員が携行し,山行中は常に送信状態にします。
7.スキー合宿
冬山山行への参加を希望する部員は,12月にスキー合宿に参加して,スキーの練習をする合間にビーコンや雪洞などの冬山登山特有の知識を身につけたりします。(冬山をしない部員もスキー合宿には参加します)